エレガントは、難しい。
「オードリーヘップバーンみたいにしたい」
そう言ったのは、近所の常連のおばあさんだった。
背筋がしゃんとしていて、白いブラウスを着こなし、靴まできちんとしている人。
80代とは思えないほどのハリと気品があって、言葉づかいも美しい。
いつもより少しウキウキした様子で、鏡の前に座ったその日、彼女はこう言った。
「オードリーヘップバーンみたいにしたいのよ」
カットを担当していた理容師は一瞬固まったようだった。
真面目で腕はいい人。年配の男性が多く通う店の中で、女性の髪もたまに任されている。
ただ、美意識の“ニュアンス”に関しては、少しだけズレることがある。
きっと彼の頭の中では、「ショートヘア=清潔感のある軽めのボブ」が再生されたのだろう。
耳まわりはすっきり、トップに丸み。白髪を生かした若々しい仕上がり。
その通りに、丁寧にカットされていった。
でも、仕上がった鏡の前で、おばあさんは言った。
「なれるとは思ってないのよ、オードリーには。
ただね、エレガントにしてほしかったの。
男の人みたいじゃなくて、女らしく」
──その言葉に、すべてが詰まっていた。
「エレガント」って、形じゃないんだよなあと思った。
年齢でも、髪型でもなく、自分の中にある“イメージビジュアル”に近づくこと。
その中には、映画のワンシーンだったり、昔の雑誌だったり、若い頃に褒められた何かが、
たぶんごちゃまぜに入っている。
理容師さんも悪気があったわけじゃない。
あとから聞いたところによると、ちゃんと「オードリーヘップバーン 髪型」で画像検索もしたらしい。
彼なりに、精いっぱい“近づけよう”としていたのだ。
でもやっぱり、そこには埋めきれない感覚の距離がある。
それでも、言葉にしてくれたおばあさんの勇気と、
わかろうとする理容師の姿勢が、私はすごくいいなと思った。

そして私自身もまた、20年近くその理容師に髪を切ってもらってきた。
最初はうまくいかないこともあった。思っていたのと違う仕上がりで、
「あー…違う…でもまあ、切っちゃったしな」と心の中でつぶやいたことも、一度や二度じゃない。
ところで、美容室を転々とする人も多いと聞く。
仕上がりが気に入らなかったり、気まずくなったり、飽きたりして。
それももちろん自由だけど、私はちょっともったいない気がしてしまう。
一人の人と、試行錯誤を重ねることには、時間にしか育てられない面白さがある。
「いつも通りで」と言えるようになるまでの過程とか、
こっちの感覚が変わったときに、それをくみ取ってくれる瞬間とか。
言葉にしきれないものを共有していく経験って、髪型に限らず、すごく贅沢だと思う。
⭐️
最近、そんな信頼の中で、良いものをひとつ教えてもらってすごく気に入ってるものがある。
「ナプラ N. ナチュラルバーム」という、シアバターでできたスタイリング剤。
ボリュームがなくなってきた髪にぴったりで、急なお出かけに助かってる。天然由来の成分でできていて、ツヤが出るのにベタつかず、ふわっと自然にまとまる。
整髪料なんてどれも似たようなもの…と思っていたけれど、ちゃんと進化しているんだなと感じる商品だった。少しの量で伸びるから、大変コスパも良しです。
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